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健康・美容に欠かせないミネラルのはたらきや期待できる効果って?




ミネラルは人体を構成する要素の一つで、不足すると健康や美容にさまざまな影響を及ぼします。

この記事では、そもそもミネラルはどのような栄養素か、体内での主なはたらきや肌に期待できる効果について詳しく解説します。記事後半では、ミネラル不足が健康・美容に及ぼす影響やミネラルを摂取する方法も紹介するので、参考にしてくださいね



ミネラルってどんな栄養素?


ミネラルは、人の体を構成するために必要不可欠な五大栄養素の一つです。五大栄養素とは、炭水化物、脂質、タンパク質、ビタミン、そしてミネラルを指します。この5つの栄養素がバランスよく体内に吸収されることで、体がつくられ、調子が整い、活動のエネルギー源になるのです。


五大栄養素のうち炭水化物、脂質、タンパク質、ビタミンは、炭素、水素、酸素、窒素で構成され、それら有機物と水分が私たちの体のおよそ96%を占めています。残りの4%がミネラル(無機質)で構成され、私たちの健康と美容を守ってくれています。


一方で、なかには農産物や海産物を通して知らないうちに体に蓄積され、健康や美容に影響を及ぼすとされる水銀やヒ素などの「有害ミネラル」も存在します。できる限り体内にため込まず、排出を促すには、ビタミン類や食物繊維の摂取が効果的とされています。



体に必要不可欠な「必須ミネラル」って何?


現在知られている元素は全部で118種類あり、そのうちの114種類がミネラル類にあたります。「そんなにあるの?」「多すぎてなかなか摂取できないのでは」と驚くかもしれませんが、実は体に必要なミネラルはそのうちの13種類と考えられています(※1)。


不足すると健康に影響を及ぼすとされる、体に欠かせないミネラルを「必須ミネラル」と呼び、1日の必要量に応じてさらに2種類に分類されます。ここで、13種類のミネラルのそれぞれの役割を簡単に紹介しましょう(※2


●多量ミネラル(1日の摂取量が100mg以上)


●微量ミネラル(1日の摂取量が100mg未満)


※1出典:厚生労働省 e-ヘルスネット 健康用語辞典『ミネラル』

※2出典:「日本人の食事摂取基準」策定検討会『日本人の食事摂取基準(2020年版) 「日本人の食事摂取基準」策定検討会報告書』p.266~p.373



体内でのミネラルのはたらき3つ


ここまでで、ミネラルとはどのような成分か、そして体に欠かせない「必須ミネラル」とは何かについて解説してきました。


ここからは、ミネラルの体内でのはたらきを3つに分けて紹介します。


1. 体をつくる


ミネラルは丈夫な体や骨をつくるのに欠かせません。多量ミネラルの一つであるカルシウムは、骨や歯の主要な構成要素です。リンやマグネシウムとともに、体を支え、内臓を守る骨を丈夫にする役割を担っています。


血液の構成要素であるヘモグロビンに関わりがあるのが、微量ミネラルの鉄と銅です。血液は、体中に酸素や栄養を運搬し、病原体から体を守ってくれます。体に酸素を届けるヘモグロビンを合成するのに作用する鉄と、そのヘモグロビンに鉄が組み込まれるサポートをする銅で、貧血を予防し、健全な血液環境を守っています。


2. 体の調子を整える


私たちの体は60兆個もの細胞でできているといわれています。多量ミネラルのナトリウムとカリウムは、細胞の浸透圧を調節することで、血液や体液の濃度を保ち、それぞれの細胞が健康的に、正常に機能できるよう維持する役割を担っています。


また、カリウム、ナトリウム、カルシウム、リン、マグネシウムは、神経や筋肉の興奮性を調整するはたらきをするミネラルです。なかでもカルシウムは、出血を予防したり心臓の筋肉の収縮作用をサポートする重要な役割があります。


3. 代謝を促進する


マグネシウム、鉄、銅、亜鉛、マンガン、セレンは、体内でさまざまな代謝活動をサポートします。代謝を促すには酵素が必要ですが、タンパク質、脂質、糖質を分解してエネルギーにかえる代謝の過程で、「補酵素」となり、代謝の仲立ちをすることができます。体の新陳代謝を上げて、新しい細胞をつくり、体の成長や皮膚炎の回復などをもたらしてくれています。



ミネラルは肌にも効果が期待できる⁉️


必須ミネラルは、肌の構成要素でもあり、健康的で美しい肌を守る重要なはたらきがあります。例えば、多量ミネラルの肌への作用は次の通りです。


・カルシウム:肌トラブルへのはたらきかけ、肌の保水量維持

・カリウム:皮脂の分泌を調整

・マグネシウム:弾力のある肌を維持


最近では、肌に直接塗布する、ミネラル配合の化粧品「ミネラルコスメ」も販売されています。ミネラルはもともと体内に約4%存在するため、肌にとって受け入れやすく、刺激になりづらいといわれ、注目されています。


ほかにも、微量ミネラルのセレン、マンガン、銅、亜鉛は「抗酸化ミネラル」と呼ばれ、抗酸化酵素を助けるアンチエイジングに欠かせないものだといわれています。このように、必須ミネラルは肌の美しさをキープするためにも日ごろから摂取しておきたい栄養素だといえるでしょう





ミネラル不足による体への影響とは


体に欠かせないミネラルは、残念ながら体で自動的に生成されるものではなく、不足しないように外から摂取する必要があります。


ここからは、ミネラルが不足することで健康と美容にどのような影響があるのか、見ていきましょう。


1. 健康への影響


ミネラルのなかでもカルシウム、鉄そして亜鉛は、特に不足しがちなミネラルとされています。カルシウムが不足すると、骨密度が低下し、将来的に骨粗しょう症の原因になる可能性があるほか、鉄や亜鉛が不足すれば、貧血による体のだるさや目まいを引き起こすことがあります。


実は、過剰摂取に気をつける必要があるミネラルもあります。ナトリウムは食塩の成分であり、過剰に摂取して体内に蓄積されると、むくみや高血圧の要因になります。また、リンも摂取しすぎることでカルシウムの吸収が妨げられ、骨を健康的な状態に保てなくなるリスクがあるとされています。


2. 美容への影響


ビタミン不足、コラーゲン不足による肌の乾燥やトラブルの発生はよく耳にしますが、ミネラル不足も美肌の天敵です。


例えば微量ミネラルの鉄は、不足すれば女性の体では月経に影響し、ホルモンバランスの乱れにつながることがあります。ホルモンバランスが正常でなければ、肌のターンオーバー力が衰え、シワやくすみなど見た目の老化につながる可能性があるでしょう。



ミネラルを摂取する方法


健康と美を守るためには、良質なミネラルを適切な量だけ摂取することが大切です。

ミネラル類が豊富に含まれる食材には、魚や海藻類あるいは豆類などが挙げられます。そのなかでも特に不足しがちなカルシウム、鉄、亜鉛が多く含まれる食材は下記の通りです。


・カルシウム:乳製品、ワカサギ、干しエビ、豆腐など

・鉄:豚レバー、赤貝、カツオなど

・亜鉛:牡蠣、煮干し、タラコ、きな粉、豚レバーなど


ここで注意したいのは、せっかくミネラルが食材に含まれていても、体内への吸収率が低かったり、吸収を阻害する成分が一緒に含まれていたりする点です。摂取する際にはミネラルの吸収率をアップさせるビタミン類が豊富な食材を合わせて食べるのが理想です。


また、ミネラルの吸収率をアップさせるためには腸内環境を整えるのも大切です。腸内に善玉菌がある状態を維持し、pHバランスが弱酸性になれば、ミネラルが吸収されやすい状態になります。


食事から摂取するのが基本ですが、必要に応じてサプリやミネラルコスメを採用するなど、目的や不足しているミネラルに合わせて選択するとよいでしょう。



美と健康へ導いてくれるミネラルは、効果的に取り入れよう


この記事では、ミネラルはどのような栄養素か、体内での主なはたらきや肌に期待できる効果、ミネラル不足が健康・美容に及ぼす影響や、意識してミネラルを摂取する方法について詳しく解説しました。


ミネラルは、意識して摂取しなければならないものの、不足にも過剰摂取にも注意が必要な栄養成分です。食事のバランスに気をつけて美と健康を維持しましょう!




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