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前半「すべての女性が自分らしく過ごすために」舟山久美子の新ブランド「Herz」に込められた想い




この記事はたきコーポレーションIGI デザイナー鳳崎さんとの対談記事です

(画像右)株式会社LIENA 代表取締役 舟山久美子

【株式会社LIENA】https://liena.co.jp/

【Herz公式HP】https://herz-jp.com/


(画像左)株式会社たきコーポレーションIGI 鳳崎優和さん

【株式会社たきコーポレーションIGI】https://igi.taki.co.jp



自分に自信がなくギャルになった10代、ありのままを受け入れることができた今、幸せは目の前にあった


―このたびHerz(ヘルツ)という新しいライフスタイルブランドを立ち上げたと伺いました。舟山さんといえばモデルのイメージが強いのですが、ブランドを立ち上げられた経緯などを教えてください。


舟山:10代の頃から雑誌でモデルをさせていただいたのですが、実はタレント業と並行してアパレルブランドを10年ほど、やり続けていました。商品のプロデュースなども色々と経験するなかで、ものづくりを通して誰かの役に立つということが、すごくやりがいにつながっていたんです。


―それが今回のブランドづくりにつながっていった?


はい。もともと私は自分に自信がなくてギャルになったのですが、今ではありのままの自分を受け入れることができるようになったんですね。自分自身を受け入れることができるようになると、本当の幸せは目の前にあるものなんだということに気づけました。結婚、出産、そしてコロナ禍という経験を経て、価値観が大きく変わったなかで、また一から何かをトライしたい、本気の物作りをして行きたいという気持ちがわいてきて。

心の奥でずっと思っていたことを実現させてみてもいいのかなと思い、Herzというブランドを立ち上げました。





気付いたら走り続けてしまう人たちのために、

ふと立ち止まり、こころを整えられるコミュニティでありたい


―Herzというブランド名にはどのような想いが込められているのですか?


舟山:Herzは、ドイツ語で“波長”や“心”という意味です。そこに行けばふっと力がぬけるような、自分ってそうだったよねって気づきを与えてもらえるような場所になれたらなと。自分自身にとっても、こころを整えられる場所という意味を含ませています。


―こころを整えられる場所ですか。


舟山:10代からずっとお仕事をしてきて、体調を崩してしまったことが何度かあったのですが、そのときに立ち止まって感じたことが、Herzの立ち上げにつながっています。「あ、またなんかちょっと走り続けていたな」と、ふと思うときってありませんか?


鳳崎:確かに。走り続けてしまい、立ち止まるのを忘れてしまうことはありますよね。


舟山:何も考えないような空白の時間が、意識をリセットし、少しの余裕をくれる。そうすれば、自分にとって価値のあるものの存在にも気づけるはずだと思ったんです。今までは仕事を休むということが怖かったし、誰かと無意識に比べられるような環境でずっと走り続けてきたので、何もしていないというときにはすごく不安を感じていたんです。でも、何かを得よう得ようとしてきた一方で、実は大切なものは目の前にあるということに気づけたんです。


なので、ちょっと疲れたときや自分と向き合いたいときに、気づきを与えてもらえるような場所があったら、自分のマインドを整えられるんじゃないかと。「大切な自分の心の奥と対話できるようなコミュニティ」を作りたいという想いが芽生えて、Herzというブランドのコンセプトにつながりました。



鳳崎:最初のコンセプトとしては、ブランドというよりも、コミュニティを作りたいっていう方向性だったんですか?


舟山:そうです。自分の生きていく幸せって何だろうとずっと考えていたときに、物質的に豊かになるだけじゃなくて、やっぱり心の豊かさが得られるということがすごく大切だなと思いました。一人でずっと考えていても気づけないこともあるかと思いますが、誰かと対話しながら、何かを受け取れるようなコミュニティを作りたいなというのが最初に考えていたことですね。



具現化しにくいけど、素直に「わかる!」と共感できたブランドコンセプト


―初めてコンセプトを聞いたときは、デザイナーとしてどのように感じましたか?


鳳崎:舟山さんのすごく強い想いを感じたことを覚えています。目に見えないもの、大切な人とのつながりといった部分をキーワードにして、世の中にアプローチするブランドを作りたい。分かりやすい答えがあるわけではないけれど、目指したい方向については、素直に「わかる!」と共感できたんですよね。





舟山:共感してもらえたんですね。


鳳崎:Herzのコミュニティにいる人たちにとっての”目に見えない大切なもの”はそれぞれ違っているのかなと思います。それでもお互いがその違いに気づきながら自分自身とも向き合って想いを馳せる時間が生まれるような、そんなライフスタイルブランドのようなイメージを抱きました。



目に見えない大切なものを、目に見える形で

デザインしたロゴデザイン


―お二人にお聞きしたいのですが、コンセプトをロゴのデザインに落とし込む際に、どういうところを意識されていたんですか?


舟山:力強さとしなやかさというイメージは伝えつつ、やっぱりブランドコンセプトにもある”目に見えない大切なもの”は表現したいとお話しましたね。


―目に見えないものを表現する。難しいですね。


鳳崎:そうなんです。まず目に見えない大切なものを表現するというところを共通の起点にして、その中でもしなやかさが強く出ている方向なのか、優しくて繊細な雰囲気のものなのか、のびのびした健やかな印象のものなのかという三方向のデザインを考えていきました。それに加えて、舟山さんと比較的近い年齢層にいる私自身の感覚でそれをかわいいと思えるか。例えば、それがSNSで画像が流れてきたときにパッと目に止まるデザインなのかどうかを意識しました。





―デザインに関しては、どのような流れで決まっていったんですか?


鳳崎:わたしとしては結構すんなり進んでいった印象でした。Herzの頭文字の「H」の一部分を隠すという案は始めから提案していたので、コンセプトや方向性をお互いすり合わせた上で、もう少しこうしたいというような細かい話となり、割とスムーズに完成しましたね。


舟山:はい、そうでしたね。鳳崎さんとなら「多分このニュアンスで伝わるだろうな」というような感覚があって。その部分ですごくフィットしている実感があったので、決まるまではすごく早かったです。理想通り仕上げていただいて、飽きがこず長く愛されるデザインになったので、とても気に入っています。


鳳崎:完成したロゴデザインは、Herzの文字が部分的に隠されているようなデザインになっています。これは、コンセプトである「目に見えない大切なものを感じさせる」ということを表現しているのですが、ニュアンスとしては、目に見えないものの『気配』みたいなものを感じさせたいと思っていて、やりすぎだったり、ありきたりにならないバランスを意識しました。ロゴの下半分が直線のように隠されているのは、Herzの製品に出会って心の深いところ…つまり下へ潜っていく先に、目には見えないやさしさやあたたかさが待っていて、そしてそれがまた表面、上へ向かって現れていくような、そういった深さのベクトルをもったデザインになっています。



Herzのロゴデザイン



―細部までこだわったデザインなんですね。


鳳崎:あとはデザインの印象として、「上品さ・繊細さ」というのと、「芯のある強さ」という、一見相反する二つのイメージを同居させたいというオーダーだったので、それを表現するための太さや書体の細かな検証も行いました。ロゴは単体で使用されることはなく、常に何かにくっついて使われるものだからこそ、舟山さんが表現したいコンセプトや世界観を組み込むことで、どんな使われ方をしてもHerzの想いを憑依させることができるような、強度のあるものにしたいと考えていました。




IGIは、たきコーポレーションから生まれた、ブランディング専門のカンパニーです。 約370名のクリエイターが所属するたきコーポレーションが、 創業以来60年にわたってこだわり続けてきた「デザイン」の力を受け継ぎ、今より明るい未来を人と企業とともに、つくっていきます。


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